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「Blue」 晴れすぎた空。 「Green」 迷いの森。 「Yellow」 光。 「Pink」 嘘吐き。 「Brown」 懐かしい匂い。 「Black」 耐え難い孤独。 「Red」 赤く、赤く、流れていく…… 「White」 安寧。 □■□ 白い壁。 スチール剥き出しのベッド。 白いシーツ。 白い毛布。 白いチェスト。 白い椅子。 白いマグカップ。 白いシャツ。 白い…白い空間。 天井近くに穿たれた窓。 鏡の前の１輪の花。 そして……白い世界の住人。 「待ったか？」 白いドアの向こう側。 閉ざされた空間、際立つその存在が眩しかった。 『ずーっと…待ってた』 毛布を纏った世界の主は俺の姿を確認するなり走り寄る。 優しく抱きとめてやると、子犬の様に顔を胸に擦りつけてきた。 「覚える為？」 『そう。刻み付ける為』 手近にあった椅子に腰掛け、そのまま主を膝の上に乗せた。 満足そうに微笑むと、今度は首筋に顔を埋めて思い切り深呼吸…。 『君の匂い…優しいお日さまの色』 「…あんたにやるよ」 着ていたシャツをおもむろに脱ぎ、羽織らせてやった。 白い…シャツ。 『ありがとう…君に包まれてるよ…』 クスクス笑いながらくれたのは、小さなキス。 羽毛が触れるような、柔らかい口付け。 天使というものがこの世に存在するのなら……間違いなく"あんた"の事だと心から思う瞬間。 溢れ出した愛しさに手が付けられなくなりそうで、無意識に逸らす視線が傷つけるモノ。 知らないフリ………。 「もう１つ、土産だ」 小さな紙袋から取り出すのは一輪の花。 この"世界"に存在する"貴重な色"。 『 ………… 』 さっきまでの上機嫌が嘘のように表情が曇る。 苛つきを露にすると、その花を俺から奪い取った。 膝の上から飛びのき無言のまま、鏡の前の一輪挿しに投げ入れた。 「俺の思いの全て……」 『だからっっ……痛い』 必死に涙を堪える表情がいじらしい。 静かに歩み寄り目尻に口唇を当てた…零れる雫を受け止める為。 『ごめんね…おれ……』 「あやまるな…何も…言えなくなるだろ…」 『言ってよ…今、この場所だけ。この世界だけは……赦してくれるんだから』 「七地…」 きつく抱き締めた。呼吸も間々ならないほど強く。 繋ぎ止め、拘束する…。 あんたを取り巻く世界だけでは飽き足らず、心まで縛りつけたくて。 「俺だけのもの……」 『そう…君だけのもの』 ゆっくりと重なる影 シャツ1枚を通して感じる体温はやけに低くて…痛々しい。 それでも……欲しいものは欲しいから。 今なら…あんたを思う存分貪り尽くせる。 七地の渇く事ない涙が思考を絡めとってゆくのに…… 視界の端に……萎れかけた薔薇を認めてしまった。 望むまま貪り、喰らい尽くした。 泣きつかれて眠る七地を残し、白い世界を後にする。 後ろ手にドアを閉めると、そのまま床にうずくまってしまう。 必死に我慢していた涙が堰を切って溢れ出した…。 思い出したから。 この世界の意味を……。 ここは『Sanctuary - 聖域 -』だったという事を……。 "これは始まり？それとも終わりなのか？" ドアの外も…白い世界。 近づく足音に、心から安堵を覚えた…… 続
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| chapunの言い訳 糸やなぎ様から頂いた 777番キリリクです。 御題はきちんと消化できたのでしょうか？(苦笑） 一応『監禁ネタ』だけはクリアーしたと思ってます…(吐血）。 "幸せの追求？！"という開き直り発想が全てです。 こんな物で宜しければお納めくださいませ。(滝汗） ちなみにタイトルは大好きな歌から引用させてもらいました。←またかよ…（トホホ） 糸やなぎ様！！私の腐れ脳味噌は『続き物なのよ〜』と煩いのです！(爆） このまま七地編までGO ====33 感想・苦情は電信にて受け取らせていただきます。m(_ _)m |