ひみつひみつ庭先から柔らかく笑ってナルトが振り返る。 縁側で寝そべって本を読んでいたカカシが気配に気がついて顔を上げると、ナルトの目がさらに細くなった。 「何?」 「何でもねえってばよ」 ナルトは大きく青空に向かって手を広げる。シャツが風をはらんだ。 「そう?」 「あれ? 諦めちゃうんだってば?」 「答えてくれるわけ?」 「さあ」 呆れたようにカカシは身体を起こすと、尚もけらけらとナルトが笑う。子供っぽい仕草にカカシは少しばかりため息をついて微笑んだ。 大方先生と一緒にいるのが幸せだとかそんな答えが返って来るんだろうと思ったが、意外性ナンバーワンのナルトの事。 ひょっとしたらとんでもない答えが返って来るかもしれない。 「で、何よ」 「ん?」 「質問してこいって言ったのお前でしょ?」 「ぶー。失格なので教えねえってばよ」 「はいはい」 大方そこら辺の返事がを予想していたので、適当に相槌を打ったらやれやれと大げさにナルトが首を振る。大体何が何処で失格なのだ。カカシにはさっぱり判らない。 「先生、判ってねえってば」 「判ってますよー」 適当に返事をしながらイチャパラを開いて寝転ぶ。ループしそうな質問は終わらせてしまうのが一番めんどくさくない。 そんな態度していたせいか、ばさりと本が取り上げられた。 「判ってねーってばよ。ちっとも」 怖い顔で睨まれる。 睨んでいたが仕方がねえなとすぐに笑顔になる。本を取り上げられたカカシは反対に不機嫌そうに身体を起こして恨みがましい目をナルトに向けた。 「何よ。どうせ、先生と一緒に入れて幸せとかそんなとこでしょう?」 不機嫌に言葉を返せば、はー駄目だ判ってないね。腰に手をあてながら首を振る。勝ち誇ったように笑顔を見せるナルトにカカシはますますむっとした。 「先生と一緒にいて幸せっていうのはデフォルトだってばよ。当たり前の事」 「じゃあ何よ」 ごろんと胡坐をかいたまま横になれば、ナルトも縁側に腰を降ろしてカカシのほうに顔を向ける。 ナルトはしおりを抜いて本を閉じるとカカシの目の前に置いた。大した意地悪だ。 もう読む気がしなくなって抗議するようにそのまま横になっていれば、最初の柔らかい微笑みがナルトの顔に浮かんでくる。 「わかんないならいいってばよ」 青空に目を向けてぶらぶらと突っ掛けをつま先に引っ掛けて遊んでいる。後ろ手をついてカカシのほうを向くとまた笑う。 「何よ、気になるじゃない」 カカシが手を重ねると、ずいっとナルトが身を乗り出してきた。 「知りたい?」 「是非」 真剣な面持ちでそう答えると、いきなりちゅっと音を立ててキスされる。予想外の行動にカカシは目を丸くしてナルトを見ていた。相変わらずニコニコと笑顔を浮かべている顔からは何も読み取れない。 「やっぱ駄目。もったいないから教えないってばよ」 「えーちょっと何よそれ」 身を起こしてナルトに詰め寄る。お返しにキスしてやろうと思って唇を寄せれば手で塞がれてしまう。 「ひみつひみつ」 笑いながら立ち上がるとナルトは大きく伸びをした。 おわり
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chapunの感謝の弁 かわいくて、ほわんとしてて、いい匂いのしてくる甘ーいお話に、私も幸せ一杯デス! |